BOOK FILE 4:Bentley Continental: Corniche & Azure 1951-200

BOOK FILE 4:Bentley Continental: Corniche & Azure 1951-200

By SAWAMURAMAKOTO

コンチネンタルの系譜を読む

歴代ベントレーのアイコン的存在として知られるコンチネンタル。
その開発ヒストリーと系譜を克明に記した大著の登場だ。

text:Hiromi TAKEDA 武田公実

 1951 年、R-R 傘下時代のベントレーでは最高傑作と称される名作'R タイプ・コンチネンタル'が誕生して以来、その後継車たる'S タイプ・コンチネンタル'。現代にも継承される名機V8 エンジンを初めて搭載した'S2 / S3コンチネンタル'。T シリーズ時代に復活した一連の' コンチネンタル' シリーズ、1992 年に復活を遂げた' コンチネンタルR'とそのオープン版たるアズール。ベントレーのアイコン' コンチネンタル' は、近現代ベントレーのスポーツイメージを、一身に担うビッグネームとなっているのはご存知のとおりだ。
 そして今回紹介する本は、誰もが認める名作R タイプ・コンチネンタルを端緒に、現代のベントレー大躍進の立役者となった歴史的傑作、コンチネンタルGT シリーズが誕生する直前、2002年までに製作された歴代のコンチネンタルを詳細に説明した、写真資料集的な1 冊である。
 まず巻頭には、R タイプ・コンチネンタル以来、S タイプからT シリーズにまでデザインを担当した元R-R 社チーフスタイリスト、ベントレー愛好家の間では伝説的なデザイナーとして知られる故ジョン・ブラッチリー氏による素晴らしい序文が収められる。そして、歴代コンチネンタルの開発ヒストリーと時代背景が、当時の貴重な写真とともに詳細にわたって解説されるのが特徴である。
 中でも圧巻というべきは、ベントレー・コンチネンタルにとっては重要なファクターであるコーチワークボディについての丹念な解説。R タイプ・コンチネンタルで名声を確たるものとしたH.J.マリナーやパークウォードに代表される老舗コーチビルダーたちが、それぞれ独自のボディをデザインしたスケッチや、表舞台に現れることなく終わったプロトタイプたちの写真の数々は、極めて貴重かつ歴史的な価値も高い資料と言えるだろう。
 また巻末には、R タイプおよびS タイプの歴代コンチネンタル全車のシャシーナンバー、コーチビルダー名、新車オーダー時のオリジナルオーナー名が記されているなど、一時代を築いた' コンチネンタル' のすべてが記された1 冊なのだ。


BentleyContinental:Corniche & Azure 1951-2002
Matthias Braun著
VELOCE BOOKS社刊
251ページ/英語

※「フライングB No.004」(2010年刊)に掲載された記事に加筆修正しました。 掲載された情報は、刊行当時のものです。